産科医が消える前に 現役医師が描く危機回避のシナリオ

2008年6月22日

読書記録



かなり前から、現役産科医の方が書いている
ブログをいくつか読んでいるので、
この本に書かれている現状については
概ね理解していることが多かったです。

相当に配慮されて書いていらっしゃるけど、現実はもっとヒドイですよね。
「たらい回し」報道についても、
モンスターペイシェントを煽るだけ、と感じてはいましたけど。


前職の時の同僚(先輩)に、
以前、大学付属病院に勤務していた方がいるのですが、
その方がこんな話をしてくれたことがありました。



 「病院で一番困るのはね、産婦人科の飛び込み患者なんだよ」



今のように表立って言われるようになる何年も前の話です。
(何しろ私が図書館に入る以前の話ですから)

簡単に運んでもらうために救急車を要請する、
健康保険に加入していない、
産んだら子どもを連れて逃げてしまうことが非常に多い、
名前も住所も嘘を書いてるから後で探せなくて、
(最初から確信犯でやってるってことです)
つまり一番未払いが多いのが産科の飛び込み患者だという話でした。

そんな患者さんばかりじゃないですけど、
他科に比べてその多さは圧倒的だったってことですよね。

その頃から産科医は不足していて、
急な飛び込みに対応できる医師がいないとも言っていました。



当時からもう何年も過ぎたにもかかわらず、
事態はさらに悪くなっているだけなんだな…と、
この本を読んで改めて感じた次第です。


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